「Made in Japan」
この言葉は、使われる方のことを想い、工夫して作成することで、安心してお使いになられ、しかも喜んでいただける、そんな素晴らしい技術を評して付いたブランドだと思います。
我々業界にも、優れた職人さんは存在します。しかし、決して贅沢な収入があるわけではありません。
それどころか、その背中を見て、息子さんが後を継がない、これが現実です。
今までの日本、資材を輸入して、製品にして輸出、こんな図式だったと思いますが、このままだと「ものづくり」、特に職人と呼ばれる方は根絶することでしょう。
諸外国と比べ、技術者のレベルは「Made in Japan」で証明されておるかと思いますが、肝心な、それを売り込む「営業」スキルは先進国の中で、下から数えるレベルだと個人的に思っております。
それは、物を販売される方が、どうやって製作しているか全くわからない、いや興味がない、それに加え、出来の良い物とそうでない物の区別もつかない。こういう方が悲しいかな結構存在しております。
給与をいただく=プロフェッショナルです。だったら作っている所を見るなり聞くなり、全く自信がない営業は職人を滅ぼしかねません。
何故、諸外国に比べ、日本は物価が上がらないか?もちろん政府や日銀の政策に問題があると指摘される方も多いかと思いますが、私は原料が上がる、それを転嫁できないのが一番の理由かと思います。では何故転嫁できないか?
幾つか理由が存在するかと思います。
1つは意識されておる相手がエンドユーザー様ではなく、中間業者さんであること、そうなると、言いたくないことは言わない→前回単価で対応を迫られる→コストUPを認めない
こういう図式
もう1つは、ゴルフトーナメントで例えると、イベント開催には多額の費用が掛かります。
その中の表彰関係のウェート、初回は親カップを製作しますので、そこそこ掛かるとは思いますが、次年度からはレプリカのみ、全予算の1%にも遠く及びません。
それなのにコストUPが叶わない、他の業種は値上がりしているのに。
つまりは、戦う相手は異業種で業界内ではないのです。そのことに気付かなければ、次を担う職人は育ちません。
サッカーで例えると、近くの仲間や相手だけを意識するのではなく、少し離れた位置からフィールド全体を見る場を作ることが重要かと思います。
それには腕の良い職人さんに対する敬意を持つことが大切だと思います。
「Made in Japan」というブランドを、これからも継続できるよう、環境づくりにご協力いただけますでしょうか。よろしくお願い致します。